【バイリンガル教育】4カ国で子供を育てて思うことPart2 幼児期に英語を始めるなら
英会話教室に時間とお金をかけても、この時期は覚えた単語や表現を長く保持することは案外と難しいものです。
もしそれでも何かをしたいのであれば、私なら耳を育てます。そしてできれば発音を習わせることだと思います。発音は言語ではなく口や舌、顎の筋肉の使い方を覚える運動です。スキーをこの時期に覚えると身体が忘れないのと同じで、耳と口で覚えた音は定着します。
また、耳を育てるということは、この時期にしかできないからです。そのために弦楽器を習わせることもとても良いと思います。弦楽器は自分の耳で音程を判断しなければならない楽器ですから、微妙な音の違いを聴き分ける耳が育ちます。それは最終的にそれぞれの言語の発音を聞き分けるのに大変役に立ちます。発音を身につけることで耳も育ちますし、耳が育てば発音もさらに良くなります。
赤ちゃんは生まれたとき、あらゆる言語の音を聞き分けることができます。成長とともに母語に必要のない音は聞こえなくなっていきます。私はこれを「日本語のフィルター」と呼んでいます。特に就学前の耳は、まだこのフィルターができあがっていません。
大人は英語の音を聞くと「英語」として言語の枠組みで処理しようとします。だから難しい。でも子供は違います。猫の鳴き声や鳥のさえずりと同じように、ただの「音」として受け取り、ただの「運動」として口から出すことができます。意味よりも先に「音」として受け取ることができるから、母語の形成を妨げにくいと思っています。この耳が開いている時期に本物の音を聞かせ、口の動かし方を覚えさせること。それが母語を壊さずに英語の力を蓄える、最も安全な方法だと思っています。
では、どうして発音が良くなると英語の手助けになるのか。そこのところは他のブログで読んでいただきたいのですが、自信がつくと英語を話すのが楽しくなります。ますます上達していきます。でも、それはもっと先の話です。
幼児期の脳は、本来もっと創造的なことに使うべきだと思っています。外で遊ばせること、工作をさせること、好奇心のままに探索させること。そちらの方が脳の発達にはずっと有益です。外国の文化や人への興味を育てること。英語を使いたいと思うきっかけを作ること。これから将来に向けての勉強に備える感覚を養っていく。そういうことの方がこの時期には適しています。
私は幼児期には、知識を詰め込むことよりも、本物の体験をさせることを大切にしてきました。毎日五分だけパズルをすることはありましたが、分からないことがあれば紙の上だけで考えるのではなく、公園のシーソーまで行って、実際に体を使って確かめました。
長女が慶應義塾幼稚舎を受験したときも、お受験教室には通わせず、幼児期は幼児期らしく育てるという考え方を変えることはありませんでした。
早道はない
最も大事なことは、母語を確立すること。焦って両方の言語をめちゃくちゃにしないことです。もちろん、そこまで極端な状態になる子どもは多くありません。しかし、そこへ至るまでに費やす時間やお金は決して少なくありません。だからこそ、その時間と労力を、もっと子どもの将来につながることに使ってほしいと思っています。
子供の耳と発音の関係については、ブログ「子供の脳と発音」シリーズもお読みいただければと思います。
バイリンガル教育についてご相談がある場合も受け付けております。特に講座は設けておりませんが、お気軽にお問合せください。