指導哲学

Teaching Philosophy


美しい発音は、対等なコミュニケーションへの入口に過ぎません。

発音を磨いた先に、実際に何を話すのか。

イギリス、アメリカの国際社会における知識層の中で生活してきた経験から、私が肌で感じてきた現実があります。環境問題、動物福祉、社会的責任——これらは現地の日常会話の中に当然のように存在しており、彼らが大変意識している問題です。

発音がどれだけ洗練されていても、こうしたテーマへの理解が欠けていると、会話の中で明らかな断絶が生まれます。それは相手に対して失礼なことでも、劣っていることでもありません。ただ、見えないギャップが存在するのです。

私が週に一度の課題でこれらのテーマを取り上げるのは、そのギャップを埋めるためです。国際人である事と教養は、切り離せないものだと考えています。

かつてイギリスでは、良い発音そのものが教養の証とされていました。現代においてもその側面は残っています。美しい発音は知性と教養を印象づける力を持っている。

しかし、発音と「切り離せない」のは教養そのものではなく、国際社会に生きるということ。

美しい発音は、教養の一端を表す良い手段です。扉を開ける鍵です。しかし扉の向こうに何があるかを知らなければ、鍵だけでは十分ではありません。


発音指導について

On Pronunciation Teaching

RP(英国標準発音)は、もともと西洋人のために作られた矯正法です。ヨーロッパの言語は共通の語源を持ち、音声的な基盤も近い。だからRPは、ヨーロッパ人が「すでに無意識に持っている動き」を前提として設計されています。

日本人には、その前提がありません。

英語と日本語は、音声構造そのものが異なります。舌の位置、喉の共鳴、息の流れ——日本語の音韻体系には存在しない身体的動作が、英語発音の随所に求められます。ネイティブはその動きを意識せずに行っているため、説明することができません。「こう聞こえる」は教えられても、「こう動かす」を教えられる人がいないのです。

これが、発音が変わらない根本的な理由です。

大切なのは、英語と日本語の違いを理解した上で、舌の使い方や筋肉の動かし方を具体的に教えられる講師に習うことです。その意味では、ネイティブ講師である必要はありません。


RPを学ぶ意味

Why RP

RPはイギリス英語の標準発音ですが、その意義はイギリス英語の習得にとどまりません。RPはすべての英語変種の基盤であり、ここを正確に理解することで、アメリカ英語・オーストラリア英語・その他の変種がどこでどのように分岐しているかが見えてきます。

「なんとなくアメリカ英語を使っている」状態から、音の構造を理解した上で選択できる状態へ。RPの習得は、英語全体を俯瞰する地図を手に入れることでもあります。


生徒さんの声

A Student's Voice

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ゆきさんの発音レッスンは、単に発音を矯正するだけではなく、英語を話す上で知っておくべきスキーマ、すなわち「英語圏でどのようなテーマが日常的に語られ、どのような視点や教養が会話の土台になっているのか」まで同時に学べるところが、とても素晴らしいと思います。

環境問題や動物福祉、社会的責任といったテーマは、現地では日常会話の一部であり、決して特別な話題ではないとゆきさんがおっしゃっていましたが、実際に自分自身の経験を通して、本当にその通りだと感じています。

例えば、社会的責任に関する様々なトピックをゆきさんを通して学ばせていただいていますが、その内容をイギリス人の英語の先生に話した際、非常に興味を示し、嬉々として会話を広げてくれました。また、ニュージーランド人の先生と話していたときには、「日本人の会話は内容が浅くなりがちだ」と言われたことがあります。しかし、私が政治的な話題に触れた途端、相手の反応は一変し、会話は一気に深まりました。

日本人に英語を教える先生の中には、あえて環境問題やアニマルウェルフェア、社会的責任といったテーマに深く触れない方もいるかもしれません。もしかすると、日本人にはまだ難しい、あるいは関心が薄いと思われている部分もあるのかもしれません。しかし、実際にはこちらからその話題を投げかけることで、相手は驚くほど深く、そして熱心に語ってくれることがあります。

こうした経験から、求められているのは単なる発音や英語力だけではなく、「何について考え、何を語れるか」という知的な土台そのものなのだということです。

ゆきさんのレッスンは、発音という表面的な技術だけでなく、その奥にある教養や国際的な会話の土台まで育ててくれます。その為、英語を「ただ話せる」だけではなく、「深く通じ合えるもの」にしてくれるのだと思います。


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