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子供の脳と発音②——なぜ就学前の子供は音をそのまま取り込めるのか

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子供の脳と発音——なぜ就学前の子供は音をそのまま取り込めるのか パート2

最近、オンラインで小学校に上がる直前の子供を、お母さんと一緒に教えたことがある。

英語の音は根本的に日本語と違う。破裂音や摩擦音——本当に破裂の音と摩擦の音だけを出してほしいのに、大人は大抵、勝手な思い込みの音を出してくる。手本を見せているにもかかわらず、違う音を出してくる。

その子は違った。きちんとそのまま出してくれた。

4月になり、学校へ行き始めた。就学前と就学後では、新しい音をそのまま取り込む柔軟さが明らかに違う。就学前はその柔軟さがある。しかし就学後、余計な何かが少しずつ邪魔をし始めた。

これは私に新鮮な調査意欲を駆り立てた。幼児を教えないことにしていた方針を取り下げて、新たな講座を作ろうと思ったほどである。

その余計な何かとは何だろうか。

読み書きの習得が進むにつれて、音の処理方法が変化する。文字と音の対応関係を学ぶことで、音の聞き方そのものが変わっていくことが、神経画像研究で示されている。学校で文字を学ぶことで、子供は音を「耳で聞く」だけでなく「文字を通して処理する」ようになる。日本語の文字体系(ひらがな)で音を覚えた脳は、英語の音を聞くときも無意識に日本語の文字に当てはめようとする。

また、第一言語のルールを第二言語に不適切に当てはめる傾向を「ネガティブ・トランスファー(干渉)」と呼び、これが第二言語習得に悪影響を与えることがある。

具体的にはこういうことだ。「L」を聞いて「ル」と処理する。「R」も「ル」と処理する。「V」を聞いて「ブ」と処理する。脳の中で、英語の音が日本語のフィルターを通って変換されてしまう。

就学前の子供にはまだそのフィルターがない。だから音をそのまま取り込むことができるわけである。

学年が上がるにつれて、日本語という言語体系が脳にどんどん固まっていく。知識が積み上がるほど、フィルターは厚くなる。

では、そのフィルターはいつ完全に固まるのか。次回は私の娘の例と、生徒として来た大学の発音専門の講師の話を例にとって話をしていきたいと思う。

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